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山形県のサクランボは、2022年から2025年にかけて、「高温障害」による結実不良により大幅な収穫減と軟化と言われる品質不良が発生しました。この3月に行われた山形県議会では、県の対応に対して議員から質問が出され、県は生産者や農協などと連携しながら、「凍霜害」や「高温障害」に対応する大キャンペーンを展開しています。
サクランボ農家にとっては収穫量や品質は、死活問題であるだけに、通販チラシも出回っている現在、今年のさくらんぼの供給は果たして大丈夫なのか、大きな関心を呼んでいます。
上山市楢下に住む鈴木嘉光さんは、「凍霜害」や「高温障害」の原因と対処法に関する画期的な特許を取得・公開しています。とりわけ、高温障害の原因については、萌芽期から開花始めの生育ステージ(4月中旬頃)に、気温が20度以上になると、ジベレリンという内生ホルモンが発生することで、花芽の雌しべの組織(雌性器官)が破壊されることが原因であることを突き止め、その対策として、防除機等を用いて日没まで断続的にサクランボの園地全体に散水することで、花芽の雌しべの組織の熱を放散して、高品質なサクランボを安定的に生産させることが可能であること、そして山形県内の農家に対しては、令和8年4月から令和9年6月まで、この回避法に関する発明特許の利用を許諾(無料)しています。
鈴木さんは、楢下にある自園地のサクランボ園で、気温が20度を超えた4月13日、14日、15日、17日、19日の5日間、佐藤錦に対して散水処理を施しました。
4月23日、散水処理を施した佐藤錦のサクランボの木と、対照区として散水処理を行わなかった佐藤錦の木で、その生育状況に関しての比較検討を行いました。
その結果、散水処理を行ったものは、花(びら)の開き方が大きく、花(びら)の色は白く、さらに軸が長く、太いという傾向を示しました。また、枝全体を白い花(びら)が包み込みように咲き誇り、緑の葉っぱが余り見えません。一方、散水処理をおこなわなかったものは、これと全く逆の特徴を示しました。
上山市同様に、多くのサクランボ園を抱える村山地方でも、上山市と同様の日にちで、20度を超える気温の日が続いたことから、萌芽期に散水処理を施さなかった園地では、今年も高温障害の発生が予想されると鈴木さんは述べています。
鈴木さんのアドバイスを実施した飯豊町、白鷹町の園地では、順調な生育状況を示しているとのことです。