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国が進める2050年カーボンニュートラルに向けて、先進的なモデル地域を100か所選定し、重点的に国が支援を行う脱炭素先行地域に、令和7年5月9日、米沢市・飯豊町の共同提案計画が山形県内初の選定を受けました。
このプロジェクトに関わる事業者が一同に会する「脱炭素先行地域事業キックオフミーティング」が、7月18日、飯豊町の神乃湯ホテルで行われ、共同提案者として名を連ねた25の企業・団体などから70名が出席しました。
冒頭、米沢市長の近藤洋介氏、飯豊町長の嵐正人氏、山形県環境エネルギー部長の沖本佳祐氏が、脱炭素先行地域事業に向けての覚悟や決意を述べました。さらに来賓挨拶として、環境省東北地方環境事務所所長の中島尚子氏がこのプロジェクトへの期待を述べました。
今回のプロジェクトメンバーが企業・団体毎に紹介された後、プロジェクトと各事業、スケジュールが説明されました。
国からは5年間で最大50億円(特定地域脱炭素移行加速化(GX)交付金と組み合わせると最大60億円)、原則3分の2が交付され、交付金を通じて国の支援を受けながら、20年前倒しして2030年カーボンニュートラルを目指し、先進的取組として他地域への横展開を図っていきます。
プロジェクトは、まず地域課題として、「家畜排せつ物処理」の問題を挙げています。置賜地方は、「米沢牛ブランド」で全国的に知られています。牛ふんは堆肥化し、肥料として農地に施用しています。米沢牛畜産農家の約6割は小規模農家であり、施用しきれない堆肥の処理に困っています。これが頭数減、廃業、担い手不足を招いていることで、地域経済や人口減少につながっている状況です。
そのために、牛ふんを地域資源として活用し、バイオガス発電でエネルギーに変えることで解決しようというのが今回の計画で、飯豊町では、すでに全国初の肉用牛バイオガス発電設備である「ながめやまバイオガス発電所」が稼働しています。
今回のプロジェクトの特徴は、小規模農家を視野に、オフサイト(集約型)として、点在する牛舎からの牛ふんを搬入車両で持ち込む形を採用するほか、バイオガス発電所から副産物として発生する堆肥や消化液(液肥)を濃縮装置を導入して、余剰熱を活用してペレット肥料に転換することで、使用用途を広げるものです。ほかには、米沢牛のサプライチェーンの脱炭素化を図る計画があります。例えば、米沢食肉センターに木質バイオマス発電を導入し、エネルギーコスト低減や脱炭素化を行うほか、米沢牛に対する持続可能な付加価値を付けるなど、差別化を図ります。また太陽光発電、小水力発電の導入、地元還元として、市場価格よりも安価な電力を住民に供給していくことや、山形県と「やまがた脱炭素ドミノ勉強会」を行い、脱炭素人材の育成を図っていくことなどを計画しています。
今回の事業計画名は、「米沢×飯豊発 米沢牛と地域連携で挑む肉用牛バイオガス発電モデル2.0による脱炭素への道」で、令和7年度に開始し、令和12年度に終了します。総事業費は、122億1,894万円で、交付金は50億7,023万円となります。事業費では、米沢市分として米沢食肉センターの木質バイオマス発電設備を始めとする33億5,362万円、飯豊町分が町内有休土地へのオフサイト太陽光発電設備6億円を始めとする13億582万円、バイオガス発電施設の新設を始めとする特定地域脱炭素移行加速化(GX)事業分が38億5,950万円などです。
最後に、出席者との質疑応答が行われました。