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米沢市、東成中学校開校設計費を予算追加も統合延期は撤回せず

1 3月19日、米沢市議会本会議が開催され、近藤洋介米沢市長は、2月24日に上程した「令和8年度米沢市一般会計予算」を撤回した上で、改めて、第一中学校増築工事等設計業務(中学校統合施設整備事業)費1億2,000万円を追加した「令和8年度米沢市一般会計予算」を上程した。続く予算特別委員会では、第一中学校増築工事等設計業務(中学校統合施設整備事業)に関する集中審査を行い、起立採決の結果、上程された予算を14対7の賛成多数で可決した。一新会の7議員が反対に回った。
 今年に入って、令和11年度開校予定の市立東成中学校(第一中学校と第七中学校を統合)を同14年度へ3年延期する方針を打ち出した市当局と会派を問わず議会側は激しい対立を引き起こした。3月19日に再上程された予算審査では、市当局は「令和11年度の東成中学校統合は議決されたものであり、最初の予算は現状に即していないと判断し、正常な予算の状態に軌道修正するために上程した」、かつ、「令和14年への統合の延期を撤回したわけではない」との回答が出された。
 これまでの市政協議会やこの日の予算特別委員会での質問や意見は、全体的に「令和11年度の統合を進めるべき」という雰囲気であり、それに反する「令和14年への統合の延期を撤回したわけではない」との当局回答であったが、採決では賛成多数で可決されるという極めて不思議な予算特別委員会だった。
 予算特別委員会において、議員の方からは、「令和14年に延期することは撤回したのか、端的に回答をして欲しい」という言葉が何度も出され、3月13日に開催された市政協議会、及び、3月19日の予算特別委員会での市当局の説明に、議員たちが本当に理解できていたのか、疑問を呈するような質問が次々と出された。最後の最後まで本音を中々語らない、今回の市当局の対応は、市議会からの信頼を少なからず傷つけたように思われる。そして市当局者の表情からは、これまでに見たこともないような重苦しさが感じ取られた。(取材 成澤礼夫)

2 これまでの経過を見てみると、米沢市は、今年1月7日に開催した総合教育会議で、令和11年開校予定の市立東成中学校(第一中学校と第七中学校を統合)を同14年へ3年延期する方針を打ち出し、近藤洋介市長が教育委員に方針を説明した。同日、近藤市長の方針を受けて教育委員会を開催し、開校延期が不可避である場合のやむをない対応として、米沢市立学校適正規模・適正配置等検討委員会を設置し検討することを決定した。
 2月13日、市側は議会全員協議会で延期の方針を説明したが議会側は納得せず、3月3日、改めて市政協議会で近藤市長の出席を求め質疑を行い、2時間余にわたって議論百出となる大荒れの市政協議会になった。
 3月13日、この問題に関して再度市政協議会をおこない、神保朋之総務部長が、2月24日に上程した令和8年度米沢市一般会計予算を撤回し、3月19日の本会議において、東成中学校開校にあたり、その校舎として使用する第一中学校について、不足教室の対応等が必要であることから設計等を実施するための第一中学校増築工事等設計業務(中学校統合施設整備事業費)を追加した令和8年度米沢市一般会計予算を再提出することが報告された。
 事業費は、設計業務委託料1億790万円、地質調査業務委託料1,210万円の合計1億2,000万円で、その内容は、増築、内部改修、空調設備、外壁・屋根、地質調査の5項目の設計や調査分の費用となる。事業費財源は、地方債発行分8,070万円、財政調整基金からの繰り入れ分3,930万円の合計1億2,000万円で、再提出後の一般会計当初予算額は465億9,000万円となる。
 
3 3月19日午前10時から開催された本会議では、はじめに近藤洋介市長が、「令和8年度米沢市一般会計予算の撤回について」の議案を提案し、その撤回理由を説明した。
 その中で、「中学校への空調設備整備は、熱中症対策の観点や避難所機能の強化という課題の解決に向けて、喫緊の課題と認識している。限られた財源の中で、この空調設備整備と東成中学校の開校を同時に進めることは困難であると判断し、東成中学校の開校を令和14年度に延期する方針を説明した。令和8年度、米沢市一般会計予算には中学校体育館への空調設備整備に係る設計費用を計上し、東成中学校の開校延期に関する住民の皆さんへの意見を伺うことを並行して進める予定としている。しかし、予算特別委員会において、議員から様々なご指摘を伺い、この当初予算は否決すべきものという予算特別委員会の決定を受けたことから、それらを重く受け止め再協議を行った。その結果、令和11年度の東成中学校の統合の延期することは今後議決を受ける事項であるため、この度の予算計上は、現状に即していないものと判断し、正常な予算の状態に軌道修正するため、この度、令和8年度一般会計予算を撤回し、東成中学校の設備整備事業費を含めた内容で、改めて提案を行うもの」と提案理由を説明した。採決では、「一般会計予算の撤回」に異議なしとして承認された。
4 続いて、令和8年度米沢市一般会計予算を再上程した。近藤市長は、「令和8年度米沢市一般会計予算に東成中学校の開校に伴う統合改修設計業務委託料などとして、1億2,000万円を追加し、予算総額を465億9,000万円とした上で、再提案する。追加額に係る財源は、固定財源として地方債を当てるほか、一般財源として財政調整基金繰り入れ金を当てる」と説明した。議長より、所管の委員会(予算特別委員会)に付託し、3月24日の本会議に審査の経過と結果を報告するように求めた。
 
 引き続き、予算特別委員会が本会議場で開催され、再上程された令和8年度米沢市一般会計予算のうち、第一中学校増築工事等設計業務に係る1億2,000万円に関してのみの審査が行われた。
 はじめに、神保朋之総務部長が総括的な説明をおこない、一般会計予算総額が465億9,000万円となることや、土田淳教育管理部長が予算の中で中学校統合施設整備事業費として、1億2、000万円を計上したことを説明した。
主な質疑内容(概略)は次の通り。

 山田富佐子議員(公明党):1点確認させてほしい。この予算が修正されたということは、令和11年度、東成中学校開校に向けてロードマップに沿って実施していくという当局の決意の予算であるということに間違いはないか?
 神保総務部長:市政協議会で説明してきたが、今後は住民説明会などを行った上で、様々な意見を受けて、統合延期に向けた議案を提出するのか、しないのか、どのようなスケジュールでエアコンの設置を進めていくのか、検討するものと考えている。
 山田議員:予算の修正はロードマップに沿って実施していくという当局の決意なのか、端的に回答して欲しい。
 神保総務部長:予算案は、令和11年度の統合に向けて間に合うようにするためには、今回の当初予算には必要だと考えて再提案させて頂いたものである。令和11年度統合は、この予算を通して頂ければ整うものと考えている。
 山田議員:令和11年度の開校に向けて準備するスケジュールがありながらも、やっていくという当局の皆さんの意思を確認させて頂いた。これは大きな視点である。議員もこれは議決案件であるので、きちんと予算に出し直されたということは大きな視点である。ロードマップに沿って、きちんとスケジュールに沿って、対応されることを希望する。
 神保総務部長:様々な予算上の制約もあるが、令和11年度統合が現在の議決の状況である。そちらに向けて様々なスケジュール等を調整しながら進めていく。

 佐野洋平議員:今回の予算の焦点は、東成中学校統合の設備費用を上程したという理解に立っている。米沢東成中学校の開校延期案は、白紙撤回なのか、まだ開校延期の可能性は残っているのか、どちらなのか端的に答えて欲しい。
 神保総務部長:今後、住民説明会を準備しているところである。住民の意見なども聞きながら、判断していくことになる。
 佐野議員:当局としては、開校延期は進めたいという意思表示をしたが、間違っていないか?東成中学校開校延期のホームページがあるが、今の話であれば、継続されてアップされ続けるのであろうが、そのような理解でよろしいか?
 神保総務部長:住民の意見を広く集めるという趣旨のもとに、今後も(ホームページのアップは)続けていく。
 木村委員長:白紙撤回の部分についてはどうか?
 神保総務部長:白紙撤回ではございません。
 佐野議員:端的な質問に対しては、端的に答えるのが議会に対する誠実さである。また市民に対する説明責任だと思う。今回、この中学校の設備費用をあげてきたが、これを執行する意思はあるのか?これを執行するスケジュールはどのようになっているか。適正配置・適正規模の計画と今回の予算措置はどのような整合性があるのか?
 神保総務部長:今回の設計業務委託料は、それに基づき設計を行い、今後、ロードマップを作成しながら、どのような形で進めていくか、住民の意見も聞きながら予算の執行はいつ行うのか、合わせて判断していくことになる。
 教育総務課長:11年度のスケジュール感であるが十分に間に合うが、補助の申請等の日程があるので、できるだけ早い時期から着手したいと考えている。

5 予算特別委員会での採決を前に、佐野洋平議員が反対の立場から、相田克平議員が賛成の立場から意見を述べた。

 予算特別委員会での採決(令和8年度米沢市一般会計予算「再上程」の中で、東成中学校の開校に伴う統合改修設計業務委託料1億2,000万円に係る部分のみ)結果。(敬称略、順不同)
 ●賛成議員:佐藤弘司、山田富佐子(以上、公明党)、高橋英夫、高橋壽(以上、日本共産党市議団)、小久保広信、影澤政夫、太田克典、我妻徳雄(以上、市民平和クラブ)、植松美穂、遠藤隆一(以上、ミライノトビラ)、相田克平、堤郁雄、山村明、島貫宏幸(以上、至誠会)
 ●反対議員:鳥海隆太、佐野洋平、成澤和音、高橋千夏、関谷幸子、齋藤千惠子、工藤正雄(以上、一新会)
 (議長、副議長は予算特別委員会委員以外、予算特別委員長は採決に加わらず)