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米沢市は、地球温暖化を防ぐために、省エネと同時に再生可能エネルギーの導入によるエネルギーの脱炭素化が重要として、市内の適切な場所に再生可能エネルギーを誘導することを目的に、このほどゾーニングマップを作成した。ゾーニングマップは、「再生可能エネルギーの開発をしても良いエリア」や「自然環境を保全していくエリア」を整理し、エリア分けした地図のこと。(写真右=挨拶する冨取千代子環境課長)
1月17日、米沢市環境課が主催して、置賜総合文化センターで午後6時30分から1時間半にわたって、エリア設定説明会が開催され、市民15人が参加した。
(写真下=参加した市民)
はじめに米沢市環境課の冨取千代子課長が「米沢市は令和2年にゼロカーボンシティ宣言を行った。令和3年、4年と再生可能エネルギーのポテンシャル調査を行い、目標値を定めながら進めている。再生可能エネルギーは、地球温暖化対策にとって外せない手段の一つ。皆様の意見をいただきながら導入を進めていきたい。この度は促進エリア、調整エリア、保全エリアとして、様々な条件を重ね合わせてそのエリアを決めていく過程にある。今日のものは案として説明を聞いてもらい、意見、議論をしてもらい、地域共生のあり方を考えながらより良いマップ作りと地球温暖化対策に繋げていきたい」と挨拶した。
まず、地球温暖化と再生可能エネルギーについての説明され、地球温暖化は今世紀末までに最大5.7℃の上昇予測で、洪水・豪雨、熱中症など8つの主要リスクがある。予想される影響の大きさや深刻さから、人類の生存基盤にかかわる安全保障の問題と認識されており、最も重要な環境問題の一つとされるとした。
気候変動問題に関する国際的な枠組みであるパリ協定は、2015年に国連で採択され、2016年に発効し、世界共通の長期目標が産業革命以前と比較して、平均気温上昇は目標2度以内、努力目標は1.5℃以内。現在、120以上の国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げて、日本は2030年度目標として、温室効果ガスを2013年度比で50%削減、その目標達成に向けて太陽光発電を最大限導入をする計画を立てている。日本はエネルギー自給率が先進国38か国中で37位で、海外から輸入される石油、石炭、天然ガスなど、化学燃料に大きく依存しているので、国産のエネルギーを図り、化石燃料からの脱却とエネルギーの安定供給を目指している。再生可能エネルギーは、無秩序の開発行為より公害、景観、生態系、廃棄物、災害などの懸念があるが、自然と調和した地産地消型再エネの導入と、住民との合意形成が重要である。
米沢市は、2050年までに二酸化炭素排出ゼロを目指すが、その取り組みでは米沢市が抱える地域課題・地方創生と地球温暖化対策を同時に実現する考え方で、脱炭素先行地域(環境省)への応募を行い、5年間に先行地域100箇所選定に、山形県、飯豊町、米沢市と共同で応募し、脱炭素推進事業(最大50億円/地域)の2月申請に向けて作成中となっている。
(写真上=種々の説明を行う環境課職員)
脱炭素先行地域に向けて米沢市の取り組みでは、①省エネ機器の導入促進、太陽光発電の導入、バイオマス発電の導入、その他事業のほか、②再生可能エネルギー導入目標の策定として、米沢市はどれくらいの再生可能エネルギーが必要なのか調査を行い、その導入目標を策定した。その結果、米沢市は2019年、年間の二酸化炭素排出量が74万7千トン、導入ポテンシャルを最大限導入した場合、一般家庭約79万4千世帯分の年間発電量296万9千MWhが可能となる。主な内訳は、電気が太陽光(建物系)29MW、太陽光(土地系)14MWなど57MW、熱が薪ストーブ・木質ボイラー115TJ、太陽熱85TJ、地中熱58TJなど258TJが目標である。(MW:メガワット、TJ:テラ・ジュール)
また地域内における再生可能エネルギー(太陽光発電、風力発電等)の導入ポテンシャルについては、各法令、自然環境調査、専門家や県の聞き取り調査を踏まえて、「保全エリア、調査エリア、促進可能エリア」等を区分し、各エリアを明確にした地図を作成・公表し、無秩序な開発を抑えながら、地域や市民が納得できる自然エネルギーの導入場所を決めていく。
「保全エリア」とは、法令等により重大な環境影響が懸念される、又は災害にかかわる危険性が著しく高く、再生可能エネルギー施設の立地困難等により、環境保全を優先することが考えられる区域。
「調整エリア」は、再生可能エネルギー施設の立地に当たって調整が必要なエリア。陸上風力発電、太陽光発電の導入ポテンシャルが見込まれる区域。
「促進可能エリア」は、環境・社会面から陸上風力発電及び太陽光発電の導入を促進しうる区域。上記の「保全区域」「調整区域」に該当せず、かつ陸上風力発電、太陽光発電の導入ポテンシャルが高いと認められる区域である。
米沢市は、令和5年度に、国基準の環境配慮事項の整理を行い、ゾーニングマップ素案を整備した。令和6年度は、米沢市独自の環境配慮事項の検討と、山形県へのヒアリング、山形県へ資料提供の申請を行い、ゾーニングマップの精緻化を図った。
(写真右=パソコン上に示されたゾーニング画像)
その結果、1月17日の説明会では、米沢市内の総面積5万4,851㌶について、「保全エリア」が1万3,641㌶(25%)、「調整エリア」が2万554㌶(37%)が設定され、風力発電では促進可能エリアが7%、太陽光発電では促進可能エリアが2%という検討結果が示された。エリア設定では、稀少猛禽類や景観など、明確にエリア設定することが難しい情報については、ゾーニングとは別途に事業者が留意するべき事項として文書で表現するとしている。
実際に、パソコンで見たゾーニングは、市内が19のマス目に分けられて表示されているが、全体が俯瞰して見れないことや、道路や住宅などの重ね合わせの情報がなく、ゾーニングされた場所が一体どこなのかがわかりにくいなどの意見が出された。環境課は当日出された意見等について、ゾーニングマップ作成にあたって参考にすると述べている。また後日、パブリックコメントも募集するという。(写真上=米沢市内での風力発電、太陽光発電の「保全エリア、調査エリア、促進可能エリア、その他」の大きさと場所)
令和6年に米沢市民の大きな関心と反対運動の広がりとなり、事業者が計画を撤回した(仮称)栗子山風力発電の教訓から、ゾーニングマップは十分な時間を掛け、あらゆる知見と意見を取り入れ、市民が納得し、合理的なものとしていかなければならない。米沢市が作成したゾーニングマップは、山形県内で初めてのものという。
説明会は、2回目が令和7年1月19日(日)14:30〜16:00まで、置賜総合文化センター301号室で開催される。予約不要。