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竹田 歴史講座

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旧ハイジアパーク南陽を民間譲渡、来年5月営業開始へ


nanyo-1 南陽市(白岩孝夫市長)と株式会社KEN OKUYAMA DESIGN(奥山清行代表取締役、山形市)は、5月26日、南陽市役所において、旧ハイジアパーク南陽の譲渡に関する基本協定・支援協定を締結した。
(写真右=左から二人目が奥山社長、三人目が白岩市長)

 南陽市は、令和2年3月、「ハイジアパーク南陽の今後のあり方(基本方針)」を公表し、令和2年度中に民間事業者へ譲渡することを含めて継続方法を模索し、継続が不可能な場合は事業停止を発表していた。令和2年9月から10月に譲渡先公募を行った結果、同10月、株式会社KEN OKUYAMA DESIGNが応募し、同11月に審査会(プレゼンテーション)を行い、同社が優先交渉権者に決定した。同12月以降は、事業計画(案)の説明や打合せを行い、今年5月に旧ハイジアパーク南陽の活用に係る事業計画書(案)が提出された。
 基本協定・支援協定では、協定の存続期間を10年間とし、提案事業の開始は建物の引渡しから2年以内と定めている。南陽市は、今年9月中旬に設立される新会社に、「温泉の供給」、「二色根温泉の用地借上料の10年負担」、「固定資産税相当額(金額未定)の奨励金を10年間支払う」、「建物等の修繕補助金2,000万円を支払う」ことなどをうたっている。また旧ハイジアパーク南陽の土地、建物、付属する設備や構築物、備品を11,000円で売却する。
 調印後、白岩市長が挨拶を行い、「国からは行政のスリム化、公共施設などを人口規模に見合った縮小、適正規模化が求められている」とし、「行政が第三セクター(ハイジアパーク南陽)を持続していくのは難しい」と述べた。さらに、「株式会社KEN OKUYAMA DESIGNより提出された事業計画を信頼している」とし、旧ハイジアパークが新たな形に生まれ変わって、地域全体の活性化に寄与することへの期待感をにじませた。
 奥山社長は、イタリアから帰国して14年が過ぎ、これまで山形県のものづくりに関わってきた経緯などを述べ、「旧ハイジアパークを新しい発想で再生、経営する」という方針を述べた。
nanyo-2 続いて奥山社長が事業計画(案)のプレゼンテーションを行い、施設名称を「四季南陽」として、「南陽を世界ブランドにする」のコンセプトを紹介した。
(写真左=本館を中心に、離れスタイルやフラットスタイルの宿泊棟を新築)



その中で、再生事業の目的として、
①地域の事業をつなぐ中核
②新規顧客獲得
③雇用の創出
④税収の向上
 をあげている。新規顧客獲得では、今までの温泉客、観光客だけではない、情報に敏感で自ら情報発信していくような新しい顧客層の獲得を目指す。
nanyo-3 事業計画では、宿泊事業として全30室を温泉露天風呂付きの客室とするもので、デザインされたラグジュアリーな設えとするほか、飲食事業ではレストラン&カフェを鶴岡市のアルケッチャーノの奥田政行シェフがプロデュース(運営)する。チェックアウト後の時間は、外来客がスイーツ&カフェを利用でき、スイーツ工房設置も予定している。
(写真右=奥田政行シェフがプロデュースするレストラン)

 物販事業では、南陽市のプレミアムな食材を厳選したプレミアムマルシェや食器を扱うKODショップ、スイーツ工房の直販とEコマースを行う。地域の人との商品企画・開発も手がけていく。
 日帰り客へは、大浴場、サウナ、露天風呂を提供し、リニューアル・オープンする。プールは夏季に一般オープンするほか、アクティビティでは、アスレチック、セグウェイツアー、農業体験、星空テラス、温泉ガストロノミーツーリズム(食べ歩き)なども。セグウェイツアーは東北では初めての企画で当初は8台を運用する予定。
nanyo-4 リニューアルに要する投資額はおよそ10億円で、現在の建物(本館)を中心に、離れスタイルやフラットスタイルの宿泊棟を新築する予定。
(写真左=客室の温泉掛け流し露天風呂、サウナと水風呂のある部屋も用意する予定)

 今後のスケジュールは、令和3年9月中旬に南陽市と新会社で売買契約(仮契約)締結、9月21日、市議会に議案(財産処分)と補正予算(支援)を提案、議案の可決を経て売買契約が成立し、9月下旬に所有権移転登記と物件引渡し、11月新会社が請負契約、着工し、12月建物等修繕補助金2,000万円の支払いが行われる。
 来年5月の営業開始を目指す。

(2021年5月27日12:15配信)