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竹田 歴史講座

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福田直樹氏演奏、米沢七中で被爆ピアノ平和コンサート


 

 昭和20年8月6日、史上初めて広島に原爆が落とされましたが、その被害を免れたピアノによるコンサートが、10月7日、米沢市立第七中学校(齋藤一德校長)で行われました。芸術鑑賞教室・心といのちの学習「被爆ピアノ平和コンサート」として開催されたもので、米沢市在住のピアニスト福田直樹氏が演奏し、全国で「被爆ピアノ平和コンサート」を行っている矢川光則さん(広島市在住)がお話をしました。当日は同校の1年生から3年生まで250人が参加しました。
 コンサートで使用されたピアノは、爆心地から1.8㎞離れた場所で被爆しましたが奇跡的に助かったピアノで、所有者の名前から"ミサコのピアノ"と呼ばれ、矢川さんが管理・調律を行っています。ミサコさんの家は鉄筋コンクリートだったため、ピアノは原爆による損傷はしたものの破壊は免れ、今に残りました。その日、ミサコさんは軍需工場に働きに出ていたため無事でした。しかし、ミサコさんが弾くピアノの音を聞いた外の人たちが、窓の外から石を投げ込み、それ以来、ミサコさんは鍵盤の蓋を開けることはなくなり、調律師の矢川さんにピアノを託しました。
 原爆で壊れずに残ったピアノは、広島では10台程度とされ、実際に演奏可能なピアノは数台ということです。矢川さんは2000年から、「被爆ピアノコンサート」を開始し、これまで全国で約2000回以上にわたってピアノを運び、2017年には、オスロでノーベル平和コンサートを実現しています。
 今回、米沢市内では初の被爆ピアノの公開となるもので、至るところに傷が確認されましたが、ピアノから奏でられた音は、とても力強く、製造後80年を超えるピアノとは思えない美しい音を出していました。
 福田直樹氏は、J.S.バッハ作曲「平均律クラヴィア曲集」、「小さい秋みつけた」、「故郷」などを演奏しました。
 会場には、原爆を受けた広島や長崎の写真などが展示され、平和の尊さを再認識しました。