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竹田 歴史講座

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第14回米沢市写真文化賞 谷野隆さん(山陽小野田市)

akiyama-1 米沢市は写真芸術の振興、奨励を図る目的で、米沢市に縁のあった写真家秋山庄太郎氏(1920~2003)を記念して、2007年、「秋山庄太郎記念米沢市写真文化賞」を創設した。令和2年は新型コロナウイルス感染症のため開催を中止したが、令和3年は実施し、9月27日、置賜総合文化センターで入賞決定記者発表会が行なわれた。
(写真右=記者発表の様子)

akiyama-2 はじめに、主催者の中川勝米沢市長が挨拶を行い、続いて文化賞1点、部門賞2点、米沢賞1点、さらに入選として花部門10点、自然・生き物部門10点、人物・スナップ部門10点の計30点の受賞発表が行われた。
(写真左=入賞者の写真を見る中川勝市長)


akiyama-3 今年の文化賞には、人物・スナップ部門から谷野隆さん(70歳、無職、山口県山陽小野田市)の「鯉流し」が選ばれた。作品は、防府市の佐波川(さばがわ)で2008年からゴールデンウイークに開催されているもので、「佐波川こいのぼりの川流し」略して「鯉ながし」の一コマで、鯉が絡まない様に船頭さんが竿で調節している様子を撮影したもの。鯉幟や吹流しの流れるさまや彩り、空を映す水面の色あいや文様、その中で菅傘を被った船頭が操る木舟が心地よい配置となっている。
 文化賞を受賞した谷野隆さんは、「この度は、権威ある秋山庄太郎記念米沢市写真文化賞の最高賞を受賞し大変うれしく思っております。前回は入選、今回二回目での受賞で文化賞を頂き驚いています。今後は文化賞の名前に負けぬよう写真を撮り続けようと思います。有難うございました。」とコメントしている。

akiyama-4 部門賞では、花部門に山野洋介さん(64歳、会社員、鹿児島県鹿児島市)の「銀河に咲く」が選ばれた。横に広がる藤棚の上空には、天の川が広がる。星空を追尾する専門的な機材である赤道儀を使用して、ワンシャッターで令和3年4月、鹿児島県霧島市で撮影されたもの。初夏の訪れを表現するもので、天空の星々を背景に、美しく咲き誇る藤がダイナミックに広がる迫力ある作品。

akiyama-5 自然・生き物部門では、鳥居秀行さん(71歳、無職、山形県山形市)の「冬将軍がやってきた」が選ばれた。山形県大石田町での撮影で、残り柿がたくさんなっている中で、大雪が降り始めた様を撮影した。勢いよく降る雪に柿は覆われるが、白い雪と赤い柿のコントラストが味わい深い印象を残す。

akiyama-6 米沢賞には、人物・スナップ部門から上野貴道さん(43歳、会社員、福島県河沼郡湯川村)の「峠の売り子」が受賞した。峠駅は福島市と米沢市の間にある駅で、列車が入ってくると売り子は運転士に一礼して名物の力餅をお客に販売する。モノクロの写真が売り子の背中を写す。上野さんは、「この文化は無くならないでほしいと思います」とコメントしている。

 今年の同文化賞には、全国から最年少14歳(女性)、最高齢96歳(男性)を含む応募人数が440人(第13回276人)、応募点数1,447点(第13回888点)、応募枚数1,538枚(第13回953枚)と前回開催から大幅に増えた。増加の要因としては、昨年の募集中止により2年ぶりの開催であることや、若い世代の応募、QRコードの掲載でアクセス数が増加、インターネットで情報公開し、広く周知されたことなどの影響があったものと考えられる。
 今回の応募では、高齢者と10代の若い人が増えたのが特徴で、審査結果にも反映された形。同文化賞審査員(審査員長 福原有一氏、日本写真会会長)による総評としては、「コロナ禍と言う状況で、通常であれば出かけるお気に入りの撮影地に行くことができなかったなどの制約があったかもしれず、一方で、世情そのものを写しとろうとしたことがうかがえる作品が少なくない」としている。

 新型コロナウイルス感染症のため、今年度の授賞式は中止し、令和3年10月16日(土)から10月31日(日)までよねざわ市民ギャラリー(ナセBA)で入賞作品展が開催される。