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竹田 歴史講座

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米沢商工会議所情報文化部会 「地域通貨」導入提言へ



takahashi18 米沢商工会議所 情報文化部会(髙橋哲男部会長)は、6月27日、ホテルモントビュー米沢で平成30年度同会の総会と講演会を開催し約30名が出席した。
(写真左=挨拶する髙橋哲男部会長)

 はじめに髙橋哲男部会長が挨拶し、「情報文化部会はこれまで地域問題を検討・啓蒙し、ナセBA(図書館)、田沢、関根地区で(運行中)のデマンド交通を提案(実現)した。若手中心の未来委員会で、これから先の米沢のあり方などを検討してもらい、新たな世代にバトンタッチしていきたい」と述べた。
 来賓の吉野徹米沢商工会議所会頭は、「情報文化部会は色々な事業を展開し図書館の建設に至った。商工会議所として、米沢市の行政に対する会員事業所の意見を聞いていなかったという怠慢があった。会員事業所の声を集約して、米沢市に対して要望活動を通して注文していく必要がある。米沢はどのようにあるべきか、アンケートを取らせて頂いている」と挨拶した。

jouhoubukai18 続いて総会に移り、平成29年度部会活動として、平成26年度から人材開発委員会で検討してきた"米沢方式インターンシップ事業"が、平成29年2月14日に「米沢インターンシップ協議会」として正式に発足したことや、同部会の今後の事業を検討する中で、企業を良くするだけでなく地域を良くする機会を作るために、「未来委員会」(高橋輝委員長)を立ち上げたことが報告された。
 平成30年度部会活動は、未来委員会を中心に活動を行い、住みやすいまち、次世代のまちのあり方を検討していくとして、同委員会は「米沢の特性に合った地域通貨の導入を図る」ことに的を絞り、平成29年12月から現状分析に入り、平成30年5月〜12月に調査活動、平成31年1月〜3月、提言をまとまる予定。

osamura18 続く講演会では、フェリカポケットマーケッティング(株)代表取締役社長の納村哲二(おさむらてつじ)氏が「地域通貨と地方の未来」と題して講演を行った。(写真左)
 納村氏は、お金の流出が人口流出を誘発しているとの認識のもと、地方創生の鍵は「地域内でお金を回すこと」であるとして、どこでも利用出来る円では地域内で確実にお金を回すことができず、地域外に流出しているのが現実。地域の活性化には、生態系に必要な「つながり」が重要で、その地域の潤滑油的な「つながり」の役割を担うものとして「地域通貨」の仕組みを提案した。
 同氏は地域通貨の効果として、「地域経済の活性化」と「コミュニティの活性化」の二つをあげる。地域経済の活性化では、地域通貨を導入することであえて便利さを限定し、「不便」にすることで、確実に「地産地消」を促進し、また「地域・期間・目的」を限定することで、その限定地域の地産地消や消費を喚起しようとするもの。
 またコミュニティのつながりや結束が徐々に弱まってきている中で、ボランティア活動や地域活動を通して、「地域でいいことをして貯めていいことに使う」という目的で、地域通貨に新たな役割を与えることで失われつつあるコミュニティの活性化に貢献すると述べている。
 さらに①自分にとって得する魅力的なインセンティブ(利己)②社会貢献・地域貢献意識の醸成(利他)③社会からの孤立を防ぎ、コミュニティへの帰属意識を育み、自分の居場所を確保できることで、地域通貨は自分の活性化にも繋がると述べた。このように地域通貨は、「地域を横軸でつなぐ共通プラットホーム・共通インフラ」となる。
 いま全国で地域通貨を導入中、または導入予定の地域として、香川県の「めぐりんマイル」、岩手県盛岡市「盛岡MORIO-Jポイント」、北海道苫小牧市「とまちょっぷポイント」、広島市、新潟県阿賀野市「あがのポイント」などの事例を紹介した。
 地域通貨の導入には条件が揃わないと成功しないと述べる。それは自治体の積極的参加、地域通貨の運営・管理・参加者開拓を担う事務局の存在、地元インフラ企業(銀行、電力、マスコミなど)、商店街、商工会議所などの参画などが不可欠なこと。
 限られた地域リソースを効率的につなげることで大きな効果を生み、自律的経済循環を担う一つのツールとして、「地域通貨」を改めて見直すことは意味のあることとした。

(2018年7月5日10:15配信)