newtitle



画像04が表示されない

竹田 歴史講座

▲トップページへ戻る

文芸サロン みちのく連歌会 「賦山河連歌」

<初折表>

満開の桜の道を知るは誰      加津
 妖精のごと蝶ひとつ舞ふ     ひろ子
里山の木の芽日ごとにふくらみて  つとむ
 前触れもなく旧き友来る     昭
二人して連ね歌など試みむ     讓
 ふり返り見る一葉落つるを    加津
切り絵めく弓張月の空に浮く    ひろ子
 温め酒をともに楽しむ      つとむ

<初折裏>
故郷は遠くなりゆくばかりなり   昭
 夢より覚めて手の皺を見る    讓
人恋うてかな文字のふみ送りをり  加津
 夜汽車のドアの無情に閉まる   ひろ子
新しき吾をさがしにひとり旅    つとむ
 冬の山寺影長く曵き       昭
奥の院冴えたる月に照らされて   讓
 歌を忘れたカナリアのごと    加津
あの時の母の仕草に似てきたり   ひろ子
 味加減みる人差指で       つとむ
亀の甲背なに子が乗り孫が乗り   昭
 谷間にひそと残りし民家     讓
花吹雪人の世のゆめ風のなか    加津
 春の愁ひのただ中にあり     ひろ子

<名残表>
耕人のときをり仰ぐ吾妻山     つとむ
 会津へ繋ぐ残雪の道       昭
反骨の気風今なほそこここに    讓
 絵の中の赤ことにはげしく    加津
釉薬の思ひもかけぬ色を出し    ひろ子
 朝な夕なに掌にとりて見る    つとむ
子に頒つつもりのトマト育てをり  昭
 ひと仕事終へ気持よき汗     讓
異国語のにぎはふ電車われ一人   加津
 マスクをはづし薄化粧して    ひろ子
水澄める曽遊の地の美しき     つとむ
 彩る山の懐かしきかな      讓
有明の頃より待ちし月今宵     昭
 いろ鳥の声はるかにきこゆ    加津

<名残裏>
湯上りの石けん匂ふ嬰の肌     ひろ子
 握る指のやはらにつよく     つとむ
指揮をとる音楽堂に熱気満ち    昭
 滔々として大河は流れ      讓
見渡せば連なる山はかすみをり   加津
 闇に育ちしよろづ物の芽     ひろ子
憂さ晴れてこころ楽しむ花の宴   つとむ
 鳥雲に入るまほろばの里     昭